低侵襲腰椎固定術(MIS-TLIF)

足の痛みやしびれだけでなく、腰椎のすべりや分離が原因で強い腰痛がある場合、腰椎除圧固定術が必要になります。
以前は皮膚を切開し、筋肉の剥離操作をして手術部位を大きく開き直視下に手術を行っていました。
しかし、術後の痛みが比較的強く、筋肉への影響もあり体への負担が大きい手術でした。

そこで、皮膚を大きく切開せず、レントゲン透視撮影を行いながらスクリューを刺入し、特殊な開窓器を用いて後方除圧と椎体間骨移植を行う低侵襲腰椎固定術(MIS-TLIF)が開発され、当センターでも導入しています。
従来の手術法と比較すると手術時間が短く、出血量が少なく、術後の疼痛や入院期間についても有意な差をもって低侵襲な(負担の少ない)手術であることが証明されています。
専門的な設備と高度な技術が必要となりますが、手術の負担が少なく“楽に”腰椎固定術を受けていただけるようになりました。

この手術を導入している病院はまだわずかですが、今後は脊椎固定術の主流になる術式です。
横浜脊椎脊髄病センターでは学会や論文発表、各種手術セミナーを通してこの手術手技を広め、どの病院でも安全に施行することができるように努めています。
脊椎低侵襲手術セミナー(Zimmer Spine MIS Bioskill Course)のご報告

メディアページでご紹介している健康雑誌「わかさ」(4月号)にMIS-TLIFが掲載されています。
【MIS-TLIF掲載記事】


【左】特殊な開窓器を行い、筋肉をいためず除圧、固定、骨移植を行う。
【右】レントゲン透視撮影を行いながら安全にスクリュー刺入や椎体間固定を行う。

低侵襲腰椎固定術(MIS-TLIF)


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