ドクターコラム 6

骨粗鬆症による背骨の骨折(いつのまにか骨折)について

近年は高齢化社会の到来や、高齢者活動度の増加により脊椎疾患が激増しています。
その中でも特に増加しているのが脊椎椎体骨折(腰椎圧迫骨折)で、頑固な腰痛や下肢痛の原因となります。
骨粗鬆症による脊椎骨折は、転倒歴がなくても発生するため「いつのまにか骨折」とも言われ、重篤化すれば寝たきりや介護が必要になる危険があります。
また連鎖的に次々と脊椎に骨折が発生してしまう場合もみられます。

治療ですが、根本に存在する骨粗鬆症の薬物治療は必須です。
内服治療や注射治療など、ひとりひとりにあった骨粗鬆症治療を選択する必要があります。
適度な安静や装具治療も必要となりますので専門医の判断が必要です。
骨折が治癒せず頑固な腰痛が続く場合は、椎体形成術(BKPセメント手術)の適応となります。
圧迫骨折が進行し、背骨が大きく潰れてしまった破裂骨折になりますと、足の痛みやしびれ、麻痺が出現します。
その場合はインプラント固定手術が必要となります。
最近では体の負担が少なく、術後の回復が早い低侵襲固定手術で治療することも可能です。
背骨の骨折の早期診断、保存治療、手術適応については、適格な判断が必要であるため脊椎専門外来の受診をおすすめします。

当院は脊椎脊髄診療に特化した専門病院として、地域のクリニックとの地域連携を密にし、原則として即日のMRIや各種検査による早期診断のもと早期治療が可能です。
外来加療からリハビリテーション、安静目的の入院加療から根治目的の手術治療まですべての治療を施行しています。
骨粗鬆症や背骨の骨折でお困りの患者様はご受診下さい。
(文責 センター長 田村)

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