TBS系列「ひるおび」腰部脊柱管狭窄症とXLIF(エックスリフ)手術の解説を行ないました

2016年5月18日放送

腰部脊柱管狭窄症は骨や靭帯が変形することにより、背骨の中の脊柱管が狭められ、脊柱管の中を通っている神経が圧迫を受けることにより腰痛や足の痛み、しびれが出る病気です。

患者数は全国で350万人以上いると推定されてます。50~70代に多く発症し、男女ともに多い疾患です。

原因は老化現象(加齢)で、背骨が年をとると神経が通る道が狭くなるため、腰部脊柱管狭窄症は誰でも発症する可能性があります。

若い頃に腰を痛めたことがある人、立ち仕事や重労働をする人がかかりやすい傾向があります。

主な症状は「間欠跛行」といって、足が痛くしびれるため休み休み、間欠的にしか歩行ができません。

足が痛くなった時には一度しゃがんだり、前かがみになって休むとまた歩けるようになります。

自転車には前傾姿勢をとるため長時間乗り続けることが出来ます。
適度な運動、筋力トレーニング、有酸素運動、ストレッチで発症や悪化のリスクを減らす事が可能です。

一度狭窄した脊柱管の自然治癒は難しく、放置すると悪化する事もあるので早めに病院へ受診することをおすすめします。

治療は薬の内服やブロック注射、手術などがあります。
手術には神経の通り道を広くする「除圧術」と脊椎のずれや不安定性をなおす「固定術」があります。

「除圧術」では内視鏡による低侵襲手術も可能です。
「固定術」ではMISt(ミスト)という後方手術やXLIF(エックスリフ)という脇腹からアプローチして脊椎を固定する前方手術が導入されるようになりました。

これらの低侵襲手術は傷が小さく、体の負担も少ないため回復が早い理想的な手術ですが、いずれの術式も手術手技が難しいため訓練を受けた医師にしか施行できず、高い技術力、判断力が必須です。