「頸椎椎間孔狭窄症・頸椎椎間板ヘルニア」について田村センター長が「グッディ」「スッキリ」「とくダネ」番組内でテレビ解説を行ないました。

2017年5月11日・5月12日放送

頸椎椎間孔狭窄症は、椎間孔という背骨と背骨の間の神経の通り道となる部分で、脊髄から枝分かれする神経が挟まり圧迫された病態のことです。
頸椎椎間孔狭窄症は頸椎椎間板ヘルニアが原因となる場合が多くあります。高齢のかたでは、変形した骨が椎間孔に出っ張り、神経を圧迫する変形性頸椎症が原因となることもあります。

頸椎椎間板ヘルニアは、首の椎間板が弱い(体質的な原因)、激しい運動や老化が原因となって発症します。30代後半から50代の人がなることが多いです。

通常、片方の腕や手に、しびれ、痛み、筋力低下が起こります。圧迫される神経根が手の運動や知覚に関わるからです。症状が進行すると、激痛や運動麻痺、感覚麻痺が起こります。

薬物治療、安静、コルセット、ブロック注射などの保存治療でほとんどは改善しますが、長期間にわたり強い症状がある場合や症状が増悪する場合は手術を検討します。
手術は、首の前や後ろから、飛び出した椎間板ヘルニアを切除したり、椎間孔を広げる手術を選択します。
しかし、ヘルニアが再発したり、上記の手術で改善しない場合は、椎間板と飛び出したヘルニアをすべて切除する必要が出てきます。

今回、YOSHIKIさんがお受けになる手術は、飛び出た頸椎椎間板ヘルニアと、残存する椎間板すべてを首の前側から切除し、人工の椎間板に置き換える手術です。
日本では頸椎人工椎間板置換術は認可されていませんが、今後認可される予定です。
現在日本では椎間板やヘルニアを切除した後に、自分の骨や人工骨をその部分に挿入して、背骨と背骨を固定する頸椎前方除圧固定術・骨移植術を行っています。

手術で神経根の圧迫がなくなれば、手のしびれや痛み、筋力低下の改善が期待できます。改善度は人それぞれで、全て改善する人から半分ぐらいしか改善しない場合もあります。
症状の改善は、神経の回復の具合によって決まるからです。平均すると今の症状の7割が改善されます。